コロナ禍の発表会
3月27日(土)、羽村ゆとろぎで第19回リトルコンサートを開催しました。
会場を押さえたのは一年前。
世の中がコロナに翻弄されはじめ、
コンサートやイベントが次々に中止になっていった頃です。
まさか一年後には、やや状況は好転していると思っていましたが…
…甘かったですね。
増えつつある感染者数におびえつつも、
感染対策をどうやれば安全か、
どうすれば皆んなが不安を感じずに
思い出の1日を楽しめるのか、模索を重ねました。
いつもはプロの演奏家の方とのアンサンブル体験をしたり、
朗読コンサートなど、楽しい企画をしていますが、今回はがまん…。
ソロのみ、小グループに分かれて入場制限をかけての発表会となりました。
合唱祭の伴奏予定の生徒さんたちも全員中止。
こうして子どもたちから色んなステージという場所がうばわれていく中、
せめてものこの経験だけは死守してあげたい。
そんな思いで準備をしました。
昨年はコンサートもステップもコンペも、
ステージらしいステージは全て中止となったので、
動画限定公開コンサートを発表の場とし、
これはこれでメリットもたくさん見つかったわけですが…
何といっても「ステージ体験」に勝るものはありませんね。
これは今回でとても強く感じました。
ここまで積み重ねた力を、誰の助けも借りず出しきる。
良くも悪くも自分そのものが出るのが
ステージに上がる本当の意味だよ、と生徒さんたちにはよく伝えています。
…が、ここまで長くステージ経験を奪われてしまうのはつらい事ですね。
もちろん全員が頑張っていましたし、少しずつリハーサルもしていましたが、
久しぶりの人前になかなか「伝える表現」までを
自由に楽しめるに至らなかった…とこぼす、
大きな生徒さんも少なからずいました。
もちろんデビュー組や小さい生徒さんは、
アットホームな雰囲気にかえってのびのびと楽しんでいましたけれどもね。
「楽しい発表会でした!」と言ってしまうのは簡単だけれども、
成長中の子どもたちにとって、やはりこのコロナ禍は
「失われた一年ちょっと」になってしまいかねないこと。
これは自分の備忘録として正直に記しておきたいと思います。
これ以上、子どもたちから色んな「経験」を奪ってはいけないのですよね。
色んなことをがまんさせられてきた子どもたちと、
これからまた少しずつ時間を取り戻し、
前進したいと思っています。
…もちろんまだまだ油断できない状況を、注意深くみながらにはなりますが。
今回カメラマンをお願いせず、各ご家庭ごとにピアノ前で撮影タイムを作りました。
和気あいあいとしてとっても良い雰囲気だったのですが、
カメラマンがいない事でスナップショットが撮影出来ず…(汗)
一部の親御さんたちからご提供いただいたお写真で、
この記事を書くことが出来ました。
桜が満開になった春の日、みんなの笑顔に久しぶりに癒されました。